自分の成長を感じられることが何よりも嬉しい
SPCへの入会前の状況
現在私が経営している美容室は、祖母が立ち上げたものです。創業は昭和元年で、88年ほどになります。私は三代目というわけです。
私が幼少の頃は、多忙な母に代わって、祖母が私を育ててくれていました。私もずっと美容師になるものと思いながら育てられてきたので、いろいろな所に出向いて行っては美容師としての修行を積み重ねました。
母はたいへん発想力豊かで、ポジティブで、なおかつパワーのある人です。母の代になると、店を大繁盛店に発展させた上に、カリスマ性もあったので、スタッフのみんなから尊敬され、いろんな所からお客様が来てくれていました。
母がSPCに入会した理由には、将来私が店を継承するにあたって、経営者としての勉強をする上でプラスになるという考えがあったようです。母は私のためにSPCに入会してくれたと言っていいでしょう。
入会の動機について
最初は、母が敷いてくれたレールの上を直走りに走っていたように思います。20年ほど前、母に「そろそろ代表としてやってみないか」と言われ、店を引き継ぐことになった時点でSPCのほうも母と交代することになりました。
実を言うと、入会前の私は、SPCが実際どういうものかも知らないのに“なんとなく”嫌っていました。毎週のようにSPCの活動に参加する母を見て、そんな時間があるならもっと現場で働いてよ!というような感情を持っていて(笑)。でも、私は従順な娘だったので(笑)、母に行けと言われると、「どんなものか、まあ、行ってみようかな」と思い直して入会することにしました。まだ四国統括本部が出来てなかった頃の話です。
SPCでの活動の軌跡
母のお膳立てでSPCに入会した私は、当初は何かを学んでやろうという心意気もなく、定例会議にも出席したりしなかったりという状態でした。ちょうど母親の胎内の羊水に浸かっているかのような生ぬるい、居心地のいい感じがしていました。実質活動らしい活動は何もしていなかったので、当然1分間スピーチも内容は伴いません。おかしなことを言ったりした場合は、あとの食事会で先輩に「ああいう時はね…」と優しく教えられたりしていました。
でも、SPCにも硬軟の両面があります。入会して7年目ぐらいの頃でしたか、数店舗抱えていても、借金もあり、売り上げも上がらないといった時期に、1分間スピーチなどで母のことを恨んでいた感じの発言が多くなっていました。自分で決めたことで、非は自分にあるにもかかわらず、悲劇のヒロインでもあるかのように健気な娘を演じていたのです。ある時、スピーチのすぐ後で幹部の方に手厳しく叱責されたことがありました。今はあなたが社長なんだから、道の草食べてでもやり抜くくらいの気概を持って頑張れと…。その時は、泣いて、泣いて、泣いて…という感じでしたが、その後「なにくそ!」という気持ちが沸き起こりました。そういった先輩方の叱咤激励が起爆剤になりました。
結局のところ、母の出した店はいろいろな理由があって閉めることになり、新たに自分の名義で店を出すことになりました。だいぶ前に借金は完済し、現在は会社としての店舗は2店舗、個人としての店舗は1店舗、従業員は13名で、個人としての店はヘッドスパとかエステとかの要素も採り入れています。
SPCでは、主な活動は「ジェンヌ」と呼ばれる女子部の部長としての活動でした。これは、地球環境部の前身で、統括の中では、営業とか経営とか、そういう華々しい仕事もしてみたいという気持ちもあったのですが、請われて引き受けた仕事である以上、誠心誠意力の限りを尽くそうと頑張りました。
現在は四国統括本部総務部長をさせて頂いています。
SPCに入会してから一番嬉しかった事
初めのうちは、私は自分のことを「いてもいなくてもいい人間かなあ」と思って意気消沈状態にありました。SPCにはそういった人間の一人一人に光を当ててくれるところがあります。
自分は普通の人と同等のレベルに達するのに相当時間がかかったと思います。人の何十倍も時間がかかっていると思います。ところが、辞めたスタッフの一人に20年振りに再会した時に、今の私を見て別人だと言ってくれたことがありました。その時が一番嬉しかった時かな、と思います。「ああっ、私、成長できていたんだ!」と(笑)。
単発で嬉しい出来事というのはあまりなかったように思いますが、やっぱり着実に人間成長が出来ていることに対する感謝、それを支えてくれたSPCに対する感謝…。折に触れて自分の成長を感じることができることが何よりも嬉しいですね。
SPCに入会してから一番苦しかった事
やっぱり、1分間スピーチの後などに先輩方にひどく叱責された時ですかね(笑)。ただ叱られたから苦しかったということではなく、甘えた気持ちといいますか、どんなに至らない自分であっても、“認めて欲しい”という気持ちが強かった時期がありまして、それでも一向に認めてもらえなかった時が苦しかった時だと思います。その時は「ちゃんとやっていないのに」と言われたものでした。でも、自分は「やってるじゃない」と思っていたのです。「なんで、なんで?」と思い悩みました。今なら先輩の言葉が理解できます。でも、その当時は理解できなくて、ひどく苦しい思いをしました。自分の中に問題があるとは考えられず、外にあるように思ってしまっていたわけですね。
入会当初はクラブ活動的な気分で、行ったり行かなかったりという状態でした。そういう時は、苦しいなどと思うことはありませんでした。でも、人間というものは、頑張り出すと苦しみが出てくるもののようです。最初のうちは、頑張らなかったから、SPCに対して何の苦しみもありませんでした。
今後の活動への抱負
SPCに入会する前はもちろん、入会した後もすべてが順風満帆というわけにはいきません。そういった中で、自己成長が出来、それを自社の展開や営業に反映させることが出来たのは、SPCがあったからこそです。
それから、月並みで抽象的かもしれませんが、やっぱり、スタッフが幸せになれるよう、いろいろなことをしてあげられるような徳島一の会社に育て上げていきたいと思っています。
